CANISの取り扱うジビエ肉のお話

CANISで取り扱うジビエ商品について
なぜ野生生物のジャーキーを取り扱っているのか
皆様に少しでも知って頂くために。
ここでは少し細かく説明を書かせていただきます。

自然と野生動物

CANISでは千葉県君津市周辺で捕獲された猪や鹿の肉をジビエドッグフードやジャーキーとして販売しています。
では、なぜジビエなのか?
これから簡単に説明させていただきます。

日本はご存知の通り、海に囲まれた島国で国土の7割が中山間地になっており、山間部に隣接する各地域住民や農家の方々は、自然環境や野生動物と向き合いながら暮らしています。その中で、大切に育てた農作物が食べられてしまう、所謂人間サイドから言う「獣害」は昔から問題になっており、常に農家の方々の頭を悩ませてきました。

有害鳥獣の被害

日本全国で農作物の獣害は出ています。
令和2年度では推定161億円もの被害額が報告されており

10年前から比べると減少傾向ではあるものの、毎年被害額は年間150億円を下回る事は有りません。

野生動物の種類はカラスをはじめとした鳥類やサル等の獣類と多岐に渡りますが、中でも最も被害をもたらしている動物は鹿と猪が常にトップに来ています。
※荒らす作物の価値によって被害額は左右します。

このような鳥獣被害を抑える為に、11月から3月までの一般的「猟期」と言われる狩猟シーズン以外に
「有害鳥獣駆除」という、鳥獣被害を受けている人に対して特別な狩猟許可が出ます。
許可を得た人だけ限定的に狩猟ができる仕組みです。
※CANISの商品は、この「有害鳥獣駆除」で捕獲された猪と鹿の肉を使っています。

野生動物の捕獲と処理方法

野生動物の捕獲は、基本的に地元住民やボランティア、猟師の方々が行っています。捕獲した野生動物は埋設処理や食肉加工したりと、処理の方法が分れますが、どの作業も想像以上の重労働で、埋設する場合は法律上1m以上の穴を掘って埋めなければならず、食肉加工にしても山の中から獲物を下してトラックに載せなければ加工場まで持っていけません。ただでさえ重労働を、山の中の足場の悪い環境で行わなければならないのです。

野生動物による獣害や捕獲後の処理等、その対応に関して次のような問題が有ります。

野生動物の処理を取り巻く問題点

①地域の高齢化
過疎化問題が騒がれて久しい通り、各農村地域で高齢化がどんどん進んできています。
農業の傍ら、獣害対策や捕獲した野生生物の処理等、ほとんどが体力仕事での対応です。高齢化してきた地域住民の方々には、その労働が重くのしかかっています。
最近では若い人たちが狩猟の免許を取得したり地域おこしに立ち上がったりしています。良い傾向ではありますが、未だに労働力は圧倒的に足りていないのが現状です。

②食肉処理の件数
昨今、ジビエ肉の認知が高まってきており食肉としての利用が多くなってきています。しかし、全国規模では食肉加工されているのは捕獲頭数全体の10%程度にとどまります。
※千葉県君津市では猪・鹿合わせ年間4~5,000頭捕獲の内20%

現在日本全国に処理施設は650以上の施設が有り、国が定めたガイドラインに沿った運営によって食肉処理の数量は増加傾向にあるので、今後は数量が増加すると見られます。

ジビエフードを使うという選択

上記の様に、昨今ジビエブームとは言われていてもまだまだ捕獲頭数の数十%しか食肉加工されていないのが現状です。
一連の問題解決には
①高齢化している現場に対して、仕事の対価を上げて若い方々に目を向けて貰えようにする事
②捕獲した野生生物をできるだけ食肉加工して市場に流通させ、食べきるという流れを作る事
だと思います。


最後に

CANIでは捕獲した野生生物を最後まで食べきってこそ、動物達の尊厳や恵みを生かす事になると考え、人間用の食肉加工で残った骨や内臓部分までを少しでも多く、丁寧に加工して流通させ、より捕獲頭数に近い数の食肉利用ができる様、生産業者と協力してより良い製品・環境作りを目指します。
獣害を受けている方々やジビエ生産に携わっている方々の環境改善の為に。
そしてCANISの働きを評価し、購入していただいた愛犬家の皆様の為に。

最後まで読んで頂き有難うございます。今後ともCANISを宜しくお願い致します。